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ムハマド・ユヌス氏講演会

「福岡アジア文化賞20周年記念ムハマド・ユヌス氏講演会」

日時:2009年9月27日14:00~16:30 会場:都久志会館大ホール 主催:福岡アジア文化賞委員会(福岡市、財)よかトピア記念国際財団)、九州大学

(ムハマド・ユヌス氏 略歴)1940年バングラデュに生まれる。経済学博士。バングラデシュの貧困な農村女性を対象に、無担保小口貸付(マイクロクレジット)をするグラミン銀行を1983年創設。貧困根絶に挑戦する有力なモデルとして世界的な評価を得て、2001年福岡アジア文化賞大賞受賞、2006年ノーベル平和賞をグラミン銀行と共に受賞。

第1部:基調講演 「ムハマド・ユヌス氏」

 グラミン銀行は、農村の貧困層800万人に対し、小口の融資を行ってきた。そのうち97%が女性である。文盲の彼女たちでも、そのお金で自立し、完済している。彼女たちの子どもを学校へ行かせることも出来ており、文盲の母の娘が医者になったりしている。貧困は、その人が悪いのではない。制度や機関といった社会のシステムが作り出したものだ。そのシステムを変えることによって、貧困のない世界を創りたい。貧困を博物館へ入れるよう世界を変えたい。

 ソーシャルビジネスとは、株主利益の最大化ではなく、社会的利益の最大化を目標とするものである。会社を持続可能にする程度の収益を保ち、財政的に自立をしながら、医療、環境、教育など、さまざまな社会問題を解決する貢献していくことをミッションとする。例えば、「子供たちに、もっと多くの栄養を与える」、あるいは、「ヒ素を取り除いた安全な水をできるだけ安く供給する」、「マラリア予防のための蚊帳を供給する」、「看護師をもっと輩出できるよう看護学校を作る」など。当初は、皆、社会的利益の最大化を目標とするなんて、うまくいきっこないと批判してきたが、実行して可能であることを示せばよいと考えている。

第2部 対談 「私たちはどんな社会を創ればいいのか」ムハマド・ユヌス、安浦寛人、アシル・マハメッド

 ソーシャルビジネスとチャリティーの違い。チャリティーはお金を出すだけで、自分は関わらないが、ソーシャルビジネスは、組織を確立させ、持続させていく。もともと日本人には、「滅私奉公」という言葉があるように、組織のために働く、という気持ちが強い民族なので、ソーシャルビジネスは受け入れやすい風土があるのではないだろうか。

 貢献と報酬。アメリカモデルは貢献度が高くなると、報酬が急激に上がるが、日本モデルでは、貢献度が高くても、報酬は緩やかにしか上がらない。日本は、社員の報酬と社長の報酬の差は10倍程度だが、アメリカでは100倍以上ということくらいは普通のこと。ソーシャルビジネスでは、得られる報酬は少ないが、社会に貢献しているという高い満足度を得られる。これからは、大学で、利益を追及することをしたいのか、ソーシャルビジネスをしたいか、両方を学んで選べるようにするとよい。

 情報通信技術によって、1990年以降の10年間で世界は一変した。インターネットが途上国でも利用できるようになった反面、ジョブマーケットがグローバルになったため、バングラデシュの貧困層が、世界各地の労働力として供給されるようになってしまった。家族と遠く離れた地で働くことが、果たして幸せなことなのだろうか。

 グラミン銀行では、多目的電子通帳の開発をすすめている。電源は、太陽電池パネルで供給し、通帳機能のほか、ヘルスケアデータも入る。グラミンテクノロジーラボ、グラミンクリエイティブラボを持ち、新しい技術の開発にも力を入れている。これからは、途上国発の技術を先進国が取り入れるようになるはずだ。なぜなら、世界の人口の3分の2以上が途上国にいるのだから。

 資本の時代は終わった。知識の時代でもない。これからは創造性の時代である。昔は知りたいことがあったら、賢者に聞くしかなかったが、今は、知識に価値はない。何かを知っていたとしても、技術革新のスピードが速いので、知識などすぐに使えなくなる。今まで知られていたことを学ぶような大学は不要で、まだ知らないことを知る仕組みづくり、新しい知識の創り方を教える場が必要である。どのような世界を創るべきか、将来的なビジョンを我々で創っていかなければならない。

 若い人へのメッセージ。二つ伝えたい。信じるということと、感じるということ。世界は自分たちが創るのだ、などというような壮大なことを考えたことがないかもしれないが、自分たちで自分たちが望む世界を創ること出来るのだ、と信じて欲しい。そして、どのような世界が望ましいのか感じて欲しい。そして、それを実行して欲しい。科学技術が見方してくれている。

【感想】

 参加できて、ほんとうに良かった。特に、ユヌス氏の穏やかな優しい佇まいに感動いたしました。これだけの気高い理想を、力強く実行されてこられているのに、ほんとうに穏やかな方でした。ノーベル賞受賞者というと、雲の上の存在で、普通の人ではなさそうなイメージでしたが、ごくごく普通の(と言っては失礼かもしれませんが・・・)当たり前の一人の人間、という印象でした。素敵すぎでしたshine

 これからの時代のキーワードは「創造性」ですね。最近、「自由とは?」「自分で考える」「自己検索」ということをよく考えていたところだったので、今回のユヌス氏の話は、ものすごく響きました。私もソーシャルビジネスに関わりたい!と強く思います。でも、どうやって?分からないけれど、貧困の終焉に向けて、何か出来るような気がしました。暴走する資本主義、ポスト資本主義について、世界中の人々が真剣に考え、行動を起こしている!私も、このことについては、しっかりと考えたいと思います。

 

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03.勉強」カテゴリの記事

コメント

ほんとに素敵な一日shineでしたね~!ありがとうございましたhappy01
今日のことはずっと記憶にとどめておきたいですね。そして、「世界のために私如きでもできる、ささやかだけど役に立つこと」をできる人間になりたいものです。

投稿: ばんびっこ | 2009年9月27日 (日) 23時12分

本物の情報に触れることが出来て、感動的でしたね!幸福感を利己的なことではなく、誰かの役に立つということの中に見出すということが、とても素晴らしいと思いました。ほんとに、何か人の役に立つことができるようになりたいですねhappy01

投稿: panda | 2009年9月28日 (月) 06時48分

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