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動的平衡

『動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか』福岡伸一(2009年2月)木楽舎

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか

福岡ハカセの新刊shine

発売日を指折り数えて待っていました♪待っている間は、心から楽しみなんだけど、一方で、寂しさも覚えつつでした。この1冊が上梓されてしまうと、この著者からは新たな心躍る素晴らしいエピソードは、もう得られなくなんじゃないか?この1冊がこの著者の面白さのピークになってしまうんじゃないか?という複雑なファン心理です。

「一人の著者がほんとうに伝えたいことは、1冊のうち、せいぜい4~11%。だから読み飛ばしても大丈夫!」というフォトリーで習った原則。確かにその通りのような気がしていますが、大好きな著者に限っては、この原則があてはまるとは思いたくありません。でもしかしやはり、どこかで一度は目にしたエピソード多数でした・・・。それでも、自身初のハードカバーということもあり、ハカセの言いたいこと(動的平衡!)がぎゅぎゅっと詰まっていまして、ひとつひとつ丁寧に読みました。

そして、いつものように名画が効果的に引用されていました。今回は2008年に北陸地方の旧家で見つかったばかりの、伊藤若冲「象鯨図屏風」でした。さすが福岡ハカセです。最新のネタをこのうえなく上手く使えるから、いつも最上級の賞賛を得られるのでしょうね。いやー参りました。

~以下、引用~

生命とは何か?それは、動的な平衡状態にあるシステムである。分子の一時的な「淀み」である。生体を構成している分子は、すべて高速で分解され、食物として摂取した分子と置き換えられている。身体のあらゆる組織や細胞の中身はこうして常に作り変えられ、更新され続けているのである。だから、私たちの身体は分子的な実体としては、数か月前の自分とは全く別物になっている、分子は環境からやってきて、一時淀みとして私たちを作り出し、次の瞬間にはまた環境へと解き放たれていく。つまりそこにあるのは流れでしかない。その流れの中で私たちの身体は変わりつつ、かろうじて一定の状態を保っている。この生命のありようが「動的平衡」である。

DNAの世紀だった20世紀的な見方を採れば「生命とは自己複製可能なシステム」であると定義づけられるが、環境の世紀を迎えた21世紀では、「生命とは可変的でありながらサスティナブル(永続的)なシステムである。」と定義づけられる。生命と環境をめぐる新しい視点は、私たちに新しいヒントを与えてくれる。

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